人魂で行く気散じや

昨日は5月5日。端午の節句だった。

兜を飾り、菖蒲湯にはいり、柏餅を食べて…と年中行事を楽しむ。

 

おうち的には、特別なアイスをこっそり買ってもらった。あと、お気持ちをいただいた。

昨年は何をしていたのか、これっぽちも思い出せない。実家にいるのんびりまったり生活も、授業開始に伴い卒業だろうか。

 

墓参りをした。

家を買って、そこに住む時間よりも墓で暮らす時間のほうが長くなるのかな。

昔はお経を読むことが好きだった。文字がいっぱい書いてあって。お経を読んでいる私に、微笑みながらお礼を言ってくれた人は元気だろうか。

笑っている姿ばかりを見ている。

 

まぶたを閉じて横になる。

ぶーん。羽音が聞こえてきて布団にくるまる。息が苦しい。

 

虫が苦手だ。虫(本体)も苦手だが、羽音はどことなく怖ろしい。

羽音がすると、寝付けないまま朝を迎えることもある。

 

いつだったか、「殺生はさけるんだよ。分かりやすく言うと、なるべく生き物を殺してはいけない。あの虫もね。私の生まれ変わりかもしれないからね」と言われた。

そこに身体があるのに転生するのか、とか思ったけどいわない。

その人がどこまで本気で言っていたのかはわからないし、いつだったか笑顔で、吸血した蚊を叩いた手を見せてきたこともある。

 

私だって、それを話半分でしか聞いていない。

だけど。あの虫がどこかに飛んでいくことを待ったまま、しまいには耐えきれず私が部屋を出ていった。どうしても躊躇ってしまうのだ。

あの虫は、どこか遠くで生きているのだろうか。

 

その話をしてくれた人は、今日も元気そうでした。

 

夏がきそうですね。

 

こどもの日だった。